フィルムへの道
グレープフルーツ
の花言葉は、「乙女の無邪気」らしい。
誰が考えつくんだ、そんな言葉(笑)
私がカメラ、写真を始めたのは、デジタルが市場を席巻した後のこと。
当時、初めてのカメラを買った。CanonのEOS40D。
まだガラケーしか無かった時分で、APS-C(anon)のはき出す絵に惚れ惚れすると同時に、雑誌の「風景写真」や、「アサヒカメラ」といったカメラ誌に寄稿される写真とは色味、解像度とも明らかに違う絵に落胆もしていた。
もちろん、腕もあっただろう。
ただ、今のようにキットレンズも優秀ではなく、当時は手ぶれ補正もお世辞にも良い物ではなかった。
色収差もガッツリついたし、高感度だってISO1600が上限ぎりぎり一杯だった。
シグマの単焦点や、高級コンパクトデジカメ、フォビオンにも手を伸したが、それぞれ一長一短といった具合で、本当にほしい画像が得られることはなかった。
そんな折り、2眼レフというものがあることを知る。
ローライフレックス。当時川内倫子が起こしたハイキー調のネガの撮影方法を皆がこぞって真似した(これを第一次ゆるふわ写真ブームと名付ける)。
同じ作風で大量生産された画像たちが世にあふれたのだが、写真の色もラチチュードも豊かで、そのスクエアな写真形態も新鮮だった。さらに通常の露光をしても圧倒的な情報量の差があることを知る。
早速リサーチを始めた。ローライ2.8F・・・高い。プラナーってのが特に高い。読めないクセタールとかいうやつも結局高いじゃないか。3.5、なんか負けた気がする。ベビーローライ、フィルムが手に入らないんじゃ撮影できない。。
結局、国産2眼レフに焦点を絞る。どうやら戦後大量に出回ったものらしい。ヤシカ、リコー、ミノルタ・・・知っているメーカーもあるな。
ヤフオクを探していると、ミノルタのオートコード3型と銘打って出品されているものがあることに気がついた。調べると3型からレンズが現代的になってよくなったらしい。ストラップ金具もついている。これは買うしか無い。
あとでわかったことだったのだが、ロゴは確かに新しくなっているが、3型ではなさそうだ。120のフィルムしか通さない上、逆光時はフレアがすごくて使い物にならない。どこかに突起があるのか、1本目のフィルムは傷だらけになった。
そんな思い出だったが、撮影体験は確かにいいものだった。非常に新鮮で楽しかった。まるでパイロットになった気分だ。プリズムを通していないから反転してピントグラスに写ってくる。
これからこのカメラでバンバン撮影していくぞ。
初めてカメラを買ってから、もう2年も経っていた。2010年の春だった。